不妊治療で夫ができること10選

こんにちは、不妊治療を数年間かけて行っていた酒本です。

具体的に言うと人工授精を経て、

体外受精5回・総額200万円ほどかかりました。

身体的・精神的にも辛い不妊治療ですが、旦那さんの理解がなくて苦しんでいる奥さん側の話もよく聞きます。

今回の記事では夫である私が、夫婦で不妊治療を乗り越えるためにやったこと10選をご紹介します。

こんな方におすすめ

  • 夫として不妊治療にどう関わればいいかわからない方
  • 不妊治療をしてから妻とのケンカが増えた方
  • 不妊治療を最近スタートした方

さて早速できることをご紹介したいのですが、その前に。

まずは不妊治療を妻一人で進めるとすると、どれだけ大変で孤独なのかを改めて共有させてください。

できることだけを見たい方は飛ばしてもらって結構です。

目次

どれだけ大変で孤独か

何回通院するねん

まずは通院回数。

私達は少なくとも80は通院しました。

治療内容によりますが、月に4~6行くのが平均です。

女性側は内診などで、体内に機材を入れられる怖さや痛みが伴います

神奈川県横浜市都筑区の産婦人科クリニックより(https://www.tsuzuki-ladys.com/blog/20220523/internal-examination)

そして有給残日数がみるみる減っていきます

予定が前々からわかっていればいいですが、病院から

「やっぱり様子見たいので3日後にもう一度来れますか?」

という突発的な通院を提案されます。

3日後の仕事を調整できるかどうかもその場で判断しなければいけません。

そんな負担を妻がしているのを知っていますか?

相談相手がいない

不妊治療の辛いのが身近に相談相手がいないこと。

すでに子供がいる友達は眩しすぎて相談しづらいこともあります。

「同じタイミングで不妊治療してる友達と情報交換や相談すればいいんじゃないの?」

と思うかもしれません。

しかし、最初は情報交換ができていいですが、

もしどちらかが先に子供ができたときの未来を想像したらどうでしょう?

先に子供ができた側の言いづらさ

友達に子供ができたと言われたときに、心からおめでとうと思っているけれど、少し顔が強ばってしまう感じ

そしてそんな自分に気づいて、心底自己肯定感が下がる、、、

同時期に治療している友達ならではの難しさもあるかもしれません。

誰にならこの孤独な気持ちを素直に吐き出せるのか?

そうです、あなたです

夫であるあなたしかいないんです。

そんな唯一無二のあなたが無関心だったら、妻がどう思うか想像してみてください。

出口のないトンネル

不妊治療の難しいところは原因が明確にならず、曖昧なところかと思います。

病院から言われるのは

「今回は効果なかったので、今度はこれをやってみますか?」

「あなたの場合はこれが効くかもしれません。」

などトライアンドエラーの世界です。

結局何が効いて何が効いていないのか、わからないことも多いです。

そのため、3ヶ月で終わるのか、1年かかるのか、はたまた3年かかるのか、誰もわかりません。

努力してもお金をかけても時間をかけても、成果に結びつくとは限りません。

まさに出口のないトンネルを進んでいるようです。

そんな世界に妻一人で放り込んでも良いのでしょうか。

メンタルが落ちているときに高額な医療方針の決定を迫られる

「今回はうまくいきませんでした。」

「次回はどうしますか?」

「子宮内膜着床能を調べるために通称ERA検査してみますか?

前回伝えたようにもしかしたら着床の窓のタイミングがズレてるのかもしれません。

費用は保険適用外で13万円ほどです。」

「あとSEET法もどうしますか?

こちらは先日伝えた培養液を胚盤胞移植時に注入するものです。

こちらは先進医療で保険との併用も可能です。自費で4万円くらいですがどうしますか?」

(????)

(医療用語が多すぎて理解が追いつかない。)

(というか今回もダメだったショックでまだ心が追いつかない。。。)

(ERA検査?13万円?助成金は出るんだっけ。ちょっと待って。。。)

(絶望の淵に突き落とされたばかりなのに、そんな難しい判断を仰がないで。。。) 

というように、一息つく間も無く、次の意思決定をしなければいけません

メンタル崩壊してる中で、そんな難しい意思決定を妻だけにさせるのって酷じゃないですか?

 

以上が私が思う、不妊治療が大変で孤独な理由です。

ではここからは本題の夫として何ができるかを紹介します。

夫ができること

病院に一緒に行き、プロジェクトオーナーになる

病院に一緒に行ったことはありますか?

行ったことがない方、最初の検査でついていっただけの方

次からは一緒に行きましょう

「うちの病院はコロナで一人しか入れへんねん。」

入り口まで一緒に行きましょう。

そのあとはLINE電話で繋げて診療参加しましょう。

「いや、普通に打ち合わせ予定あるから急な調整できへんし。」

奥さんも同じです

「いや、でも有給減るし。」

奥さんも同じです

「行ってもやることないし」

めちゃあるし、そもそも現場を知りましょう

仕事で現場を全く知らない上司からあれこれ意見されるとイラっと来ません?

それと同じです。

少しでも不妊治療の解像度を上げて奥さんと同じ世界に入りましょう

ちなみに私も最初は一緒に通院していなかったのですが、ある日妻から

「私だけ有給がどんどんなくなっていくのがモヤモヤする。二人の子供だよね?」

と言われてから、一緒に有給を使って通院するようになりました。

そこからぐっと不妊治療の解像度が上がり、妻の気持ちも理解できるようになりました。

表面的な共感ではなく心の底から共感するためにまずは病院へGO!

身体的な負担は妻が担うので、あなたは不妊治療という大型プロジェクトのオーナーになりましょう。

ちなみにさすがにないと思いますが、男性側のチェックがまだの方はすぐに検査に行ってくださいね。

なぜなら不妊症の48%は男性にも原因があるためです。

プロジェクトを効率よく進めるためにも、言わずもがな男性も最初に検査しましょう。

薬の管理

明日からすぐにできることは、薬の管理です。

不妊治療は服用する薬が多く、タイミングも重要なため

どの薬をいつ、どれくらい飲めばいいのか複雑でわからなくなります。

ただただ「薬飲んだ?」と聞いていませんか。

そうではなく

「今日は何日目でお昼の食前やからコレとコレ飲んでほしい。」

くらい具体的に伝えましょう。

不妊治療は薬の種類も多く、服薬タイミングも複雑であるため、このアプリがオススメです。

いつどれくらい薬を摂取すればよいかリマインドしてくれます。

私達はとても重宝してました。

もちろん自分のスマホだけでなく、妻のスマホにもインストールしてあげてください。

病院で薬が出たらすぐに二人のスマホにあなたが登録してください。

あとは、私はテーブルが薬だらけなったので、こんな薬箱を買ってスッキリさせてました。

ちなみに私も最初は薬について我関せずでしたが、妻から

「薬をちゃんと飲んだかの事後確認なんて簡単だよね。」

「どの薬をいつ飲むのかの管理が大変なのに。」

と言われてから、自分に何ができるか調べて、

妻に聞いたりしてアプリを見つけ、

自分と妻のスマホにインストールして管理するようになりました。

薬の準備

さぁ薬に関してはオッケーと思ったあなた。

まだ薬でもできることあります。

不妊治療の大変さは飲み薬だけじゃないことです。

例えば自己注射

さらには自分で膣剤を入れることもあります。

膣剤とは下記のようなアプリケータを使って、膣の中に入れる薬のことです。

おはぎのきもちより(https://ohagimochi.com/ohagininkatu189/)

「それはさすがに夫がやれることはないのでは?」

そんなことはありません。

膣剤を入れるまでのアプリケータのセッティングをしてトイレに置いておく

注射器のセットをする

なら誰でもできます。

本当に本人しかできないこと以外は、妻にどこまでやってほしいかを確認して、全部巻き取りましょう

ちなみに私もあまりイメージできていなかったのですが、

朝昼晩と投薬を時間指定されている場合は、

もちろん外出先でも指定の時間に投薬の対応をしなければいけません。

仕事や用事があるときも薬の存在を忘れてはいけないのが大変だったそうです。

なので

「薬の対応をしてくれてありがとね。」

と一言伝えるようにもしていました。

先生とのやりとりを巻き取る

さぁプロジェクトオーナーのあなた

一緒に病院に行ってすることは治療方針を決めることです。

前半に書きましたが、現場ではトライアンドエラーで本当に色々な治療の提案をされて、

金額の大きな意思決定を瞬時にしなければいけません

そんな時メンタル不安定なパートナーに一任するのではなく、自分がリードして意思決定していきましょう。

もしコロナで病院に一人しか入れない場合は、LINE電話を繋げてリモートで診療に参加しましょう。

コロナだからといって思考停止してはいけません。

勉強する

とはいえ意思決定するにも医療知識がないとわけわからんので勉強しましょう。

先生から説明されますが、一週間経てば忘れちゃうのが関の山です。

ここでは自習でおすすめコンテツをご紹介します。

基本編だと厚生労働省がまとめたわかりやすい動画がおすすめです。

もう少しマンガで詳しく知りたい方はこちらの妊活夫婦がおすすめです。

不妊治療についてギャグも踏まえながら細かく解説されています。

さらに細かく知りたい方は英クリニックが配信しているyoutubeはとてもわかりやすいです。

他動画もかなり細かく解説しているので、医療用語だらけですが関連動画は何度も見直して頭に入れましょう

医療知識というより、不妊治療の葛藤や苦しみを知るなら「隣の家族は青く見える」というドラマがおすすめです。

FODを契約すれば今も見れるはずです。

妻の苦しさを理解するのに役立つかと思います。

続いてはこちら「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」。男性不妊の話です。

前半はカジュアル過ぎる表現で気になりましたが、最終的には良い作品でした。

amazonプライムで見れます。

本だとこういうのもあります。

矢沢心と魔裟斗の不妊治療本です。

有名人ではないですが個人的には千種さんのnoteもグッとくるものがあるのでぜひご一読を

直接的にはあまり関係ないですが、体外受精の裏側を知るという意味ではこちらのマンガもおすすめです。

書籍で医学的な細かいところまで把握した方はこちら。最近新しく出ていたのでシェア。

保険適用後に出版されているので最新情報です。

という感じで勉強しようと思えばなんぼでも出てきます。

上記は私のおすすめなので、ご自身でもぜひ色々と探してみてください。

ご褒美制度

これはすでにやっている方が多いかと思いますが、ご褒美制度はおすすめです。

希望の結果にならなかったら毎回ズーンと落ち込みます。

その時は

「次ダメだったら旅行に行こう!」

などご褒美制度を提案しましょう。

お寿司でもいいですし、美味しいお酒でももちろん。

私たちは高級寿司や旅行によく行きました。

「ただでさえお金掛かってるのにいいの?」

と言われたら

「気晴らしも大事!気にせずガンガン使おう!」

と背中を押してあげてください。

ここまできたら覚悟を持って散財しちゃいましょう!

SNS断捨離

落ち込んでいるときにふとSNSを見ると、

知人や芸能人のベイビーがタイムラインに映ることがよくあります。

見るタイミングによってはさらに落ち込む負のループに。

そんなときは奥さんのタイムラインに出てこないように、フォロー解除やミュート設定を提案しましょう。

気持ちを吐き出したい方は、Twitterで妊活アカウントを作るのもありかもしれません。

意識を飛ばす

真面目に向き合い過ぎて、しんどくなることもあります。

奥さんが落ち込んでいるときは、意識を飛ばせるようなコンテンツに誘導するのもおすすめです。

感情爆発させてすっきりするために、あえて号泣系の映画やドラマでもいいかもしれません。

コウノドリは毎話泣けて、妊娠は奇跡であることも教えてくれるのでおすすめです。

妻に感謝

不妊治療中の妻は、仕事の両立の苦労もあって自己肯定感が下がっていることが多いです。

そんなときは些細なことでも感謝を伝えましょう。

「薬飲んでくれてありがとう。」

「副作用耐えてくれてありがとう。」

とにかく一つ一つの何気ない行動に感謝を細かく伝えましょう。

妻の自己肯定感を上げるのも夫の大事な役割です。

妻を抱きしめる

色々おすすめしましたが、結局は何も言わず抱きしめるのが一番かもしれません。

独りじゃないよを伝えるのは、言葉より抱きしめるほうが伝わることもあります。

以上が不妊治療で夫ができること10選です。

色々と書きましたが、まずは一緒に通院すること、不妊治療の内容を知ることから始めてみてください。

最後に。

私も最初そうだったように不妊治療をどのように夫婦で乗り越えたらいいかわからず

結果的に何もしていないように見える旦那さんもいるかと思います。

このブログを公開すべきかどうか非常に悩みましたが、

妻と何度もすり合わせをして公開することに決めました。

旦那さん側の理解がなくて、孤独を感じているという話も聞いたことがあるので、

この内容が少しでも、夫婦で不妊治療を一緒に乗り越えるきっかけになれば幸いです。

もし奥さん側がこのブログを見た場合は、

そっと優しくさりげなく旦那さんにこのブログを共有いただけたらと思います。

P.S. 企業の人事総務の方へ

株式会社Gypsophila(ジプソフィラ)という会社でHEARME(ヒアミー)というサービスがあります。

なかなか実態が把握しづらい不妊治療に取り組んでいる社員からの人事制度の要望や不満点匿名でフィードバックするサービスです。

私もピアサポーターとして登録しているので、興味ありましたら下記HPご参考ください。

また働く環境について取材されたことがあるので、こちらもご参考に。

それでは!

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